Steam や PS4 配信されているインディーズゲームの Outer Wilds を実際に遊んでみての評価記事になります!
※プレイや攻略の様子はコチラからお楽しみいただけます!(ネタバレがあります。)
※このゲームはネタバレ状態だと楽しめない可能性が高いです。購入を検討している方はプレイ日記を読まないことをオススメします。
総合評価
総合評価は、ストーリーやシステムなど各評点 (10点満点) の合計点を表しています。
ただし、非常に癖の強い合う合わないがハッキリしたゲームであり、点数そのものにはあまり意味がなさそうです。
46/100点
- 総合評価
- 概要
- システム(UX・楽しさ) 5/10点
- システム(UI・遊びやすさ) 3点
- クリアまでのボリューム 4点
- やりこみ要素(クリア後要素など) 1点
- ストーリー・世界観 7点
- キャラクター 5点
- グラフィック 5点
- 演出 3点
- 音楽 8点
- コスパ 5点
- 補正点 0点
- まとめ
概要
このゲームは、新米宇宙飛行士になった主人公がたまたまタイムループに巻き込まれ、太陽が超新星化して星系が滅亡するまでの残り22分間を繰り返すというゲームです。
2020年には英国アカデミー賞を受賞していたりするのですが、かなり尖ったゲームという印象です。
点数は一応付けたけど、合う合わないがはっきりしているので正直参考にならない気がする。
まず、ゲームクリアに至るモチベーションやストーリーや目的を何も語らないまま、いきなり自由に全てを探索できる状態になります。
最初のループだと何が起きたのか分からないまま超新星爆発に巻き込まれて終わります。
次第に、ゲーム内でやるべきことが見えてくるのですが、それも明確な形ではなく匂わす程度で分かるという感じです。
この尖ったゲーム性は、クリエイティブディレクターを務めるアレックス・ビーチャム氏の卒論を読むと良く分かります。
実は、彼は南カリフォルニア大学院に在籍中の2013年に卒業制作として同名のゲームを作っており、『好奇心ドリブン』なゲームをいかに作成したかの論文を出しています。
※論文を読みたい方はこの方のブログがオススメです。(ゲーム本編のネタバレ注意)
このゲームはまさに『好奇心ドリブン』という言葉がピッタリ当てはまっており、例えばウィッチャー3等のゲームを遊んでいて、世界設定に関するテキストを読んでついつい考察してしまう、という面白さを突き詰めたようなゲーム性です。
逆に言えば、世界観や裏設定などを考察するのがあまり好きではなかったり、好きだったとしてもゲームにはアクション性や爽快感を求めるユーザーにはあまりオススメできません。
ゲームとしては面白い部分と面白くない部分の両方がありますが、考察好きユーザーにとってはこの上なく楽しい瞬間があるゲームなのは間違いないです。
思わず、普段は書かないようなエンディング考察記事を書くくらいには好きなゲームになりました。
Outer Wilds のエンディングとは何だったのか?できる限り考察してみる。
システム(UX・楽しさ) 5/10点
いきなり点数をつけるのが難しい項目です。
正直合う合わないがかなりハッキリしているのでとりあえず5点を付けておきました。
個人的に楽しめた度でいえば7点くらい。
かなり尖った他にない体験ができるゲームなので、世界観の考察が好きなユーザーにはオススメできる傑作です。
概要でも書いた通り、このゲームでは強くなったりアイテムを収集したりというような要素はなく、考察を楽しむゲームです。
できることは、22分で滅亡する星系を隈なく探索し、新しい情報を得ることのみ。
つまり、この世界そのものや、既に絶滅した種族・Nomai についての情報が報酬です。
一部の場所は、たどり着くためにはある程度の工夫が必要で、そういった場所には大抵重要な情報が隠されています。
が、本当にそれだけです。
イメージとしては、22分で滅亡する世界をループを繰り返しながら工夫して特定の場所にたどり着く、という意味ではゼルダの伝説のムジュラの仮面に近い体験です。
そして、難しい場所に行って得られるのはウィッチャー3などの海外製オープンワールドでよくある世界観に関するテキスト情報という感じです。
世界観や Nomai 同士の人間関係が、全貌が分からないながらも少しずつ設定が明らかになる過程が非常に面白いです。
考察好きなユーザーなら、最初の目標さえ見つけられればハマれる可能性が高いです。
が、逆に言えばそれ以外の面白さはないので、ハマれない人にはとことん面白くないクソゲーかもしれません。
人を選ぶという意味で、可もなく不可もない5点です。
システム(UI・遊びやすさ) 3点
アクションゲームでもなく、戦闘がないので遊びやすいのでは?と思った方は残念。
このゲームは不親切で溢れかえったゲームです。
まず、インディーズゲームあるあるですが、初見殺し的な罠がそれなりにあります。
それだけなら良いのですが、22分間を繰り返す世界の中で一部の謎解きは特定のタイミングでしか訪れることができない場所も多いので結構これがストレスになります。
一応焚き火で時間を調整することもできますが、細かい調整はできず、かつ焚き火が無い場所に限って時限的な謎解きを要求されたりもするので待ち時間もそれなりにあります。
そして、やたらとリアルな慣性力が働く宇宙船の操作が妙に難しいというか不便。
割と高い所を飛ぶ必要があるのに、着地に失敗するとそれだけで死んでしまったりもします。
慣れれば大したことないし、自分は普通に楽しめましたが、好奇心ドリブンでゲームを遊ばない人にとってはただただストレスでしかないかもしれません。
少なくとも、操作していて楽しい!というゲームではありません。
クリアまでのボリューム 4点
自分は、クリアまでのプレイ時間は大体20時間前後でした。
ただ、クリアまでに調査できそうなポイントは(おそらく)全て潰した上でこの時間です。
やろうと思えば、最初の22分のループでいきなりエンディング到達もできますし、普通にネタバレなしでプレイしてても、エンディングだけを目標にプレイするならもう少し短くなりそうです。
が、このゲームはそういう遊び方をするゲームではないです。
逆に、早めにエンディングを見れた人も、このゲームを楽しめた人であればおそらく全ポイント調査をすると思うので、20時間でボリュームを評価しています。
やりこみ要素(クリア後要素など) 1点
このゲーム自体には、スコアアタックやタイムアタックのような要素はありません。
(RTA的な遊び方をする人はいそうではありますが、それは全ゲームに言えるので評価外)
ただ、一応マルチエンディングというかバッドエンドが複数パターンあるようで、全部観ようと思えば少しはやり込めます。
ということで、1点。
ストーリー・世界観 7点
ゲーム内のシナリオ、という意味でのストーリーはほぼあってないようなものです。
が、既にゲーム内では絶滅している Nomai が絶滅するまでのテキスト情報など、世界観というか裏設定的なそういう意味でのストーリーは濃厚です。
このゲームでは様々なロケーションに情報が散らばっており、情報を集めてくることで全貌が段々見えてくるタイプのストーリーです。
特に、Nomai の部族のある行動の背景設計には少しぞわっとするモノも含まれています。
ゲーム内でリアルタイムに進行するシナリオとしてはほぼ無いようなモノなので、全体的に緩急があったりクライマックスや見せ場があるストーリーではないです。
(一応、エンディングに向かう過程でクライマックス感のあるBGMは流れますが)
緩急が無いので、引き込まれる人とそうでない人はかなり分かれそうで、点数は7点と絶賛の割に・・・という点数ですが、他に類を見ないタイプのストーリーというか体験なので、凄くオススメしたい。
このゲームの面白さはどちらかというと、気になる単語や現象を wikipedia とかで調べて、その中の単語のリンクから更に別の項目を調べて、更になるほどー!って時間を溶かすような、そういう楽しみを濃縮させた感じの面白さです。
キャラクター 5点
このゲーム内で登場するキャラクターの数は非常に少ないです。
が、絶滅した Nomai 族が遺した文書を翻訳して、一族の人間模様が垣間見える瞬間は殊の外多いです。
つまり、『見たことも話したこともない推しキャラ』という謎の現象が起こる可能性があります。
結構クセが強いというか、面白いキャラクターの Nomai も多いので5点にしました。
グラフィック 5点
凄く綺麗、というグラフィックではありません。
最近のゲームならよくあるレベルのグラフィック。
宇宙飛行している時の天体の様子は、おそらく光学エンジンが入っているのか日食的な瞬間が美しかったりはします。
グラフィックに期待して買うゲームではないし、グラフィックに幻滅するようなゲームでもありません。
演出 3点
このゲームのプレイ体験はかなり独特で、緩急が無い感じがするのですが、ロケーションの不気味さや見るからに危険っぽい場所で案の定ゾクッとするような情報が開示されたりします。
ただ、特別何か情に訴えかける演出があるかというとそうしたものはないのでこの点数。
音楽 8点
オープンワールドあるあるで、基本的に探索中は一部を除いて音楽は流れません。
が、その一部で流れる音楽が素晴らしいです。
Nomai の遺跡で流れるちょっと不気味なBGMや、超新星爆発直前に流れるコスモ感のある音楽など、どれも記憶に残る音楽です。
また、キャラクターや特定のモノを探索するときに使うシグナルスコープというモノで何かを探索するときにもそれぞれ個性的な音楽が鳴ります。
全体的にBGMのクオリティは高く、演出としても有効に機能している印象です。
コスパ 5点
Steamで大体2,500円です。セールとかだともっと安いこともあります。
個人的には、めちゃくちゃコスパ良かったです。
が、万人にオススメできないゲームであり、合う合わないがかなりハッキリ分かれるゲームなので5点としました。
もし、この記事をここまで読んでネタバレなしの状態で面白そう!と思ったなら勝って後悔はしないと思います。
補正点 0点
特になし。
まとめ
あまりにも特殊なゲームで、各項目で点数をつけて合計すると意外と低い点になりました。
が、ゲームの世界観にどっぷりハマって考察するのが好きな人には間違いなくオススメできるゲームです。
ゲーム的な楽しさというよりは、何の目的もなく百科事典を眺めてた子供の頃のあの楽しさみたいな体験を濃縮させた感じの体験。
Switch版の発売に合わせてDLCが来るかも?と噂されていますが、発売されたら自分は買おうと思っています。
ハマれる人にとっては神ゲーで、そうでない人にとってはクソゲーというかなり評価の難しい作品でしたが、英国アカデミー賞受賞は納得の出来でした。